学生時代に買ってもらったり、親の名義の車を譲り受けて名義変更しないまま乗っているという人も多いはず。
実はその状態で買い替えを行うのは手間がかかって面倒なんです。
この記事では、親や他人名義の車を買い換えるときに必要な手続きや方法を詳しく解説していきます。
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他人名義の車は勝手に買い換えられない
中古車を業者などに販売する場合は、車検証や自動車保険の書類・印鑑証明書などが必要です。
中古車買取業者・ディーラー・廃車業者など、どの業者を利用してもこれは変わりません。
というのも中古のものを扱う場合の法律が定められているからです。
古物商許可番号を発行する警察署は、数々の業種の中でもとくに中古車買取業者に対して厳しく管轄しています。
ほかの分野の業者は一度登録すればいいのですが、自動車引取業は5年ごとに更新しなければいけません。
日本の車の人気の高さに、盗難車などが出る事例も年々相次いでいるためしかたないのですが・・・。
まだ走れたり、市場で価値のある車を買い取る場合は古物商の許可が必要です。それに反して、廃車や車としての市場価値がないものを買い取る場合は自動車引取業としての登録をしなければいけません。
買取業者がちゃんと認可を得ているか確認するときのポイントにしてくださいね。
車だけでなく、中古品を取り扱う業者は盗難品を取り扱うリスクを減らすために、利用者の本人確認を行うことが法律で義務付けらています。
そのため親名義であっても、委任状や譲渡証明書なく勝手に買い換えることはできないのです。
親名義の車を買いかえるときに必要な手順
とはいっても、親名義の車を買い替えられないということはありません。
ここでは、買い替えのときに必要な方法をそれぞれ詳しく解説していきたいと思います。
・名義変更
車の所有者の名義を変えるために必要です。
親名義の車から自分に名義を変えたい場合は、
- 委任状
- 譲渡証明書
- 印鑑証明書
を、親御さんから受け取りましょう。
委任状と譲渡証明書は、どちらも親御さんの実印を押しておいてください。
印鑑証明書は発行から3ヶ月以内のものが必要です。
自分でそろえておく必要があるものは、
- 車庫証明(発行から1ヶ月以内)
- 印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
- 実印
の3点です。
必要なものがすべてそろったら管轄区間の陸運支局へ手続きにいきましょう。
当日は申請書などの書類を記入して提出すれば、手続きは終わりです。
・車庫証明の取得
自分の車を保管する場所を登録するための車庫証明は、警察署で申請します。
そのときに必要なものは
- 保管場所標章交付申請書
- 自動車保管場所証明申請書×2通
- 保管場所使用承諾書
- 車を保管する地図
- 公共料金の領収書など
警察署のホームページからダウンロードできるので、例を見ながら漏れのないように記入してください。
申請を行ってからすぐに車庫証明がもらえるというわけではないので、余裕を持って申請しにいきましょう。
申し込みを行ってから4日から1週間経って再び警察署にいきます。
申請時にもらった納入通知書兼領収書を係員に見せて手数料を払うと、
- 車庫証明書
- 保管場所標章番号通知書
- ステッカー
が渡され、車庫証明が取得できます。
納入通知書兼領収書と一緒に保管しておきましょう。
※地域によっては車庫証明がいらないところもあります。
現在都内で車庫証明が要らない自治体は
- 西多摩郡檜原村
- 利島村
- 新島村
- 神津島村
- 三宅村
- 御蔵島村
- 青ヶ島村
- 小笠原村
などです。
・保険はどうすればいい
実は自動車保険は、車と同じように保険を譲渡することもできます。
引継ぎが可能な場合は
- 夫婦間など配偶者間での名義変更
- 親子・兄弟など同居している家族間での変更
です。
必要なステップは
- 車の名義の変更
- 保険契約者の変更
- 被保険者の変更
です。
ただ、家族間での引きつぎは同居していることが前提となっているので注意してください。
子供と親が別居してから名義をかえることはできないので、引っ越す前に変更しておくか、イチから保険に入りなおす必要があります。
等級が最初からになってしまうと、保険料も高くなってしまうので余裕をもった手続きが必要です。
親名義の車を買い替えるときの流れ
親名義の車買い替えを行う場合は、以下の手続きを順番に行っておく必要があります。
- 変更に必要な書類を準備する
- 陸運局で名義変更の手続き
- 保険の名義変更
これだけ書くと、簡単じゃん!と感じますが、区役所などに申請しなければいけないので平日働いている人はちょっと大変かもしれません。
すべての書類を提出すると、手数料納付書が必要になります。
また、譲渡する子供が未成年の場合は戸籍謄本が別途必要になります。
名義変更に必要な書類
車の名義変更を行う際に必要な書類はこちら
前の所有者(この場合は親)の名義の実印を捺印した委任状と、印鑑証明書 | 区役所などで発行されてから3ヶ月以内 |
前の所有者(この場合は親)の名義の実印を捺印した譲渡証明書 | インターネットでダウンロード可 |
新しい所有者(この場合は子)の名義の実印を捺印した印鑑証明書 | 区役所などで発行されてから3ヶ月以内 |
新しい所有者(この場合は子)の名義の実印 |
これは普通自動車の名義変更に必要な書類で、軽自動車の場合は委任条ではなく申請依頼書が別に必要になります。
印鑑証明と法的手続き。印鑑証明を集めるのは大変?
車だけでなく、あらゆる相続を行う場合に必要なのは印鑑証明書です。
親御さんに印鑑証明をとって送ってくれ、と頼めばスムーズです。親族間でよく悪用などのトラブルが起こることもあるようですが、親子間で車の贈与など目的がはっきりしている場合は特に問題はないでしょう。
公的な手続きの際には発行から3ヶ月以内のものが有効なので、余裕を持ちつつ日付には気をつけてくださいね。
区役所で手続きするため、平日に行かないと行けないというイメージが強いかもしれませんが最近は土日に受け付けてくれるところも増えています。
また、マイナンバーカードを使ってコンビニや自動交付機から発行してもらえるようになったので、かなり便利です。
また、親御さんの変わりに印鑑証明を取得する場合は印鑑登録証を借りれば、本人の代わりに印鑑証明書が発行されます。
印鑑登録を行っていない場合は、まず登録から行いましょう。
実印を用意して、運転免許証などの身分証明書をもって区役所に向かいます。
窓口で申請すれば当日中に登録することが可能です。
登録にかかるお金は500円未満で、登録が完了すると印鑑登録証というカードが発行されます。
また、写真つきの身分証明書がなく保険証などで登録を行う場合は1度窓口で登録してから、自宅に送られてくる書類を持ってまた手続きが行われます。
名義変更にかかる費用
名義変更を行う場合、自分で行う場合と専用の業者を利用する方法があります。
この2つの方法にかかる費用をご紹介しますね。
・自分で行う場合
自分で車の名義変更を行う場合、必要な書類と費用はこの通りです。
まずは必須で必要なものはこちら
- 移転登録手数料・・・500円
これは運輸局で名義を変更する手続きを行う際にかかる手数料です。
- 申請書用紙代として・・・100円
これは用紙発行の代金です。
- 車庫証明書代・・・2,500円から3,000円
先ほど説明した車庫証明書を取得した場合にかかる代金です。料金は一律ではなく申請する都道府県によって変わるので、各自治体に確認してください。
- 印鑑証明書代・・・300円×2通
実印を自治体に登録している証明書です。自治体によって200円から400円ほどの開きがあるようです。
たいていの場合、発行から3ヶ月以内のものを2通必要です。
さらに以下は必須ではないものの、場合によっては必要になるものです。
- ナンバープレート代・・・2000円以下
今すんでいるところとは異なる他府県に変更する場合は、自動的にかかりますが同じ県内で名義変更する場合は必要ありません。
また、希望のナンバーに変更したいときは4,000円ほどかかります。
- 自動車取得税・・・車種により異なる
新車や高級車の場合にかかる税金です。自分の車が対象かどうかは自治体の自動車税担当に問い合わせればわかります。
自分で名義変更を行う場合、一番安くて5,000円以下で名義変更が可能です。
他府県に名義を移す場合でも7,000円~8,000円ほどで可能です。
車庫証明は発行までに4日から1週間ほどかかりますが、ほかの書類は当日発行することが可能です。
・業者を利用する場合
名義変更を代行してくれる業者も存在します。
先ほどご紹介した自己変更にプラスして、代行費として10,000円以上かかります。
高いところだと30,000円以上かかるところもあるので、自分で変更するよりはかなり割高です。
必要経費とあわせたら、トータルで2-3万くらいかかると考えておくといいでしょう。
ただ、名義変更は手間と時間がかかるので忙しい人はサービス内容が充実している業者を利用するのもいい方法かもしれませんね。
所有者が死亡していたらどうすべき
車の所有者がなくなっている場合、手続きの方法が異なります。
通常の場合よりも多少手間がかかります。
車は遺産として扱われるので、遺産相続人を決めて相続を行うという方法がとられます。
その際に必要な書類は
- 所有者が死亡したこと、相続人に値する人がわかるもの(戸籍謄本など)
- 相続人(代表)の印鑑証明書
- 車庫証明書
- 遺産分割協議書
です。
相続した人が業者やディーラーに売却する場合は、譲渡証明書が別途で必要になります。
一番上の「所有者が死亡したこと、相続人に値する人がわかるもの(戸籍謄本など)」は、特にこれといって定められてはいません。
- 戸籍謄本
- 除籍謄本
- 全部事項証明書
- 改製減戸籍
- 戸籍の附表
がおもに使われるようです。
ただ、車の価格が100万円に満たない場合は遺産分割協議成立申立書という、もう少し簡単な方法で利用できます。
代表相続人の署名と捺印だけで大丈夫。
ただ、査定証明書など価格が保証された書類が必要です。
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